いい作品だったなぁ。主人公のオーヴェと、彼を見出した妻のソーニャの愛が芯にあって、この二人が最高にロマンチックで魅力的な夫婦だった。人生に起きる嘆かわしく理不尽なことも前を向いて具体的に解決していく若かりしシーンに胸を掴まれる。
そんな妻との時間を愛してやまないオーヴェのひとりぼっちの毎日の中に、突然飛び込んできたご近所家族との交流をきっかけに、オーヴェがひとりになった後のその暮らしを描く。
北欧の街は可愛い。本作はスウェーデンの作品で映画も場面全てに余計なものが写ってなくて、癒される。スウェーデンの暮らしが垣間見れて、おうちもお店も可愛い。旅に行きたくなるな。
妻に先立たれたオーヴェは、いつも一言多くて周囲から煙たがられている。まぁいわゆる嫌われ者だ。ひとりで生きていくことに希望がなくなった彼の隣に、パルヴァネ一家が越してきた。いま、死ぬところだったのに。騒がしい一家に物申したくなる。なんだなんだ。
オーヴェは毎日妻の墓参りに行って、毎日のあれこれをソーニャに話す。「お前がいてくれたなら」寂しくてたまらない。そうだ今のうちに死ねば、まだ妻に会えるかもしれない、そう思って首をつっていたのに、またチャイムが鳴る。
パルヴァネは、オーヴェの優しさを見逃さず、誰もが彼とうまくコミュニケーションが取れない中、するっと彼の中に入っていくのだ。オーヴェは少しずつ変わってゆく。うまく言葉にできないけれど、こんな風に暮らしていけたら素敵だな。
ある時ひょんなことからオーヴェの家にゲイの男の子が泊まることになって、翌朝朝ごはんを食べた後、オーヴェと猫と、プラス男2人の朝の見回りが可愛いすぎた。
オーヴェは怒りっぽくて口うるさいのだけど、的を得てて何より、愛がいっぱいでキュートだ。