りか

幸せなひとりぼっちのりかのレビュー・感想・評価

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)
4.2
ジャケットを見る限りだと結構明るくポップな感じを想像していたけれど、北欧の空模様がそうなのか案外全体の雰囲気は気持ちどんよりしていて、晴れやかな空!みたいな感じではなかった。
でも現実の鬱々とした日常と、若き日のオーヴェとソーニャの回想シーンはオレンジがかった優しい色合いでその対比が良かった。

オーヴェ59歳らしいけど、めちゃ老けてる😳😳
日本なら69歳とか79歳とかでもいいくらい。
冒頭の見回りのシーンだけで生真面目で頑固で偏屈なじーさん感が伝わった。
たしかにあんなにうるさく言われてたらわたしも「うるさいなあ」と思ってしまうだろうな。
そこにやってきたパルヴァネ一家がまた図々しくも親切で、まるで本当の家族のような距離感でオーヴェの閉じ切った心をぐいぐい開けていくところがすごく良かった😢✨
中でも娘たち2人がオーヴェに懐いて、無邪気にオーヴェに抱きついてオーヴェが戸惑ってるシーンはきゅんとした。

生真面目なオーヴェが正装をして何度も自殺を試みるも幾度も失敗し憤怒する。そこがギャグ要素になっていておもしろい。
オーヴェがソーニャのお墓には素直になってあれこれ話しかけたり、ソーニャのことになると途端にムキになるところがソーニャを心底愛していたんだなあと感じさせる。
天井からぶらさげたロープを自分の首にくくるとき、車の中で意識が遠のいていくとき、落ちた線路に佇んでいるとき、銃を口に入れようとするとき、オーヴェの気持ちはどんなだろうと思うと毎回泣けてしまった。
でも決まって邪魔が入る。
心臓発作?で倒れて病室でパルヴァネが「あなた死ぬのが本当に下手ね!」と爆笑するシーンも結構好き。
ソーニャが生かそうとしてたんだろうなあ。


パルヴァネ達との交流も、ソーニャの教え子とその友達も、親友ルネとの一幕も、結局は人が良くて助けてあげるオーヴェが愛おしくて、回想シーンで彼の人柄を知れば知るほど好きになっていった😢✨
終盤、パルヴァネの第3子を優しく抱っこして自分の作ったベビーベッドにそっと寝かせてあげるシーンがもうグッときた。

そしてまたソーニャもまた本当に魅力的な女性👏😭✨
こんなに明るくて強くて優しい人になりたい。
オーヴェは出会えて本当に良かったねてなる😢✨
どんなにどん底になろうとも結局はソーニャの一言で救われてしまう。
やー、強いなあ。素敵すぎ。

ラストのシーンはもう絶対泣いちゃう。
いろんな登場人物とそれぞれのストーリー、そしてオーヴェとソーニャのストーリーがありながら見事に綺麗におさめきったなあ。

この前に観た「Wonder 君は太陽」に引き続き、人の優しさとあたたかさを存分に感じられる作品😭✨
とっても良かった!
りか

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