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幸せなひとりぼっちのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)
4.0
対人は不器用だけど、物作りや修理は人一倍器用。
性格は頑固だけど、子供たちや困った人たち、野良猫への優しさや無償の愛はとても柔らかくて暖かい。
そんな、愛する妻に先立たれ人生への絶望感に苛まれている偏屈なオーヴェ爺さん。
妻を追おうと繰り返す自殺未遂をきっかけに変わりゆく日常描写から、徐々に隣人家族との他愛ないやり取りで気付く絆や生きる喜びを得ていくオーヴェの心境や人相の変化がとてもグッとくる。



⚠️以下↓若干ネタバレ有り⚠️



オーヴェの心の中へスーっと溶け込んだ隣人家族のパルヴァネ母の過去を、さらりと教習シーンでオーヴェが語るところはとても深く心に刺さり、それによって更にオーヴェの良き心の友となったパルヴァネ母が、病室でオーヴェに放った“本当に死ぬのが下手ね”のセリフで一気に涙が流れ出た。
赤の他人同士の助け合いや絆、そして現代社会におけるマイノリティ問題等をごく普通の住宅地域における、普遍的な生活を基に描いたスウェーデン発、ハートフルヒューマンドラマ。
サーブとボルボのマウント合戦にはかなり笑った。
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