チェコ共和国を代表する先駆者的監督、カレル・ゼマンの処女作。
聖なる夜、命を吹き込まれた人形が少女の部屋でさまざまな舞を繰り広げる。
くるみ割り人形のような世界観のクリスマスファンタジー。
チェコの映画とだけあって、映像の雰囲気とかやはりどことなくダークファンタジー感があるのはこの少女に乱暴に捨てられた古い人形の儚い時間を暗示してるからだろうか?
あと古い人形の怨念も多少感じる。
一度は愛を取り戻したとしても、移り気な幼い心はどう転ぶのかはわからない。
愛らしい少女を残酷なカタチで表現して、愉快な映像の中に切なさを見せる。
75年も前にこんな詩的な映像を確立できていたとは流石チェコの作品です。
これからカレル・ゼマンの作品少しずつ観て行きたいな。