奈須きのこは、講談社ノベルス版が出た時に、本屋さんに行って買おうとしたら無くて、「なす!きのこ!の本はありますか?」「きのこ?」「はい、きのこです」というやり取りをして恥ずかしかった懐かしい思い出がある作家。
一時代を築いたファウストで、新伝綺というジャンルを確立し、後の西尾維新の物語シリーズなどの系譜へ連なる、元祖的な作品。(実際は、菊地成孔の兄の菊地秀行など、前世代から繋がっているらしいのだけれど・・・)
なんというか、若気の至りという感じが、台詞回しから感じられて、これを書けるのは、ある種の年齢の壁があるな、と思いました。
あらすじは、「万物の死線」が見える女の子が、JK連続飛び降り自殺の謎を解決するという、話。「serial experiments lain」と言い、「自殺サークル」と言い、世紀末~ゼロ年代の女子高生は、屋上から飛び降りがち。
首都高のかかった日本橋が象徴的なシーンとして出てくるのだけれど、これも、また、喪われた東京の風景。あまりこういうバトルモノは好かないのだけれど、これは、けっこう楽しく見ていられる。