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永遠のガビーのJeffreyのレビュー・感想・評価

永遠のガビー(1934年製作の映画)
3.5
「永遠のガビー」

冒頭、1930年代のパリ。イタリア出身の映画女優、レコード"みんなの女性"がヒットする中、自殺を図った。手術台に運ばれ、麻酔で意識が朦朧、彼女の回想が始まる。数々の男、愛、パーティ、ダンス。今、破滅へと導くメロドラマが始まる…本作はマックス・オフュルス監督による1934年のイタリア映画で、この度DVDにて初鑑賞したが面白い。どうやら監督唯一のイタリア作品らしく、流麗なカメラワークと演出で多大な影響を与え、生涯を通じ女を撮り続けた彼の傑作の地位に立つ映画である。

さて物語は1930年代パリ。イタリア出身の映画女優ガビーのレコード"みんなの女性"がヒットする中、自殺を図ったガビーが手術台に運ばれる。麻酔で意識が朦朧とするガビーの回想が始まる。それは数々の男たちに愛されるが、意図せずに彼らを破滅に導いてしまう1人のFemme Fataleの驚くべきメロドラマであった…と簡単に説明するとこんな感じで、ナチスを逃れ亡命した監督がイタリアで監督した唯一の作品として有名。ちなみに本作は第二回ベネチア国際映画祭で最優秀技術上を受賞している。大胆なフラッシュバック形式で語る女の回想は、後の傑作「わすれじの面影」や「歴史は女で作られる」を先駆けるとのことだ。「黄昏の女心」を思わせるダンスシーンのヒロインの妖艶な姿を回転カメラで表した監督の移動撮影は圧巻とも言うべきだろう。まさに巨匠たちのハリウッドシリーズの1本だ。
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