櫻イミト

下宿人の櫻イミトのレビュー・感想・評価

下宿人(1926年製作の映画)
3.5
ヒッチコック監督の3作目で初のサスペンススリラー。監督曰く「実質的な処女作」。サイレント映画。

ストーリーは今から見るとそれ程でもないが、映像が素晴らしい。現在国内販売されているDVDだと画質がひどくてわからないが、2017年の英国映画協会修復版を観ると画面の奥行や照明演出のいかに優れているかが良くわかる。本作を撮る直前にドイツに滞在していて、F・W・ムルナウ監督「最後の人」(1924)の撮影現場に立ち会い大きな影響を受けたとのこと。群衆シーンなどラング監督の影響も見受けられ、ヒッチコック監督の根っこにはドイツ映画があるっことがわかる。

修復版の日本語ソフト化を強く希望する。
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