4作目。やっぱり銀熊賞をとった作品だけあって、客席しっかり満員でした。
『月の寵児たち』で、ちょっとココロ折れそうだったんですけどw今作は素直に楽しかった！
ただ生活を消化してくだけの日々から飛び出し旅へ出たヴァンサン。
旅先でスリにあったり、気の合う友人が出来たり、絵葉書を書いたり、父の旧友を訪ねたり…
ヴェネチア旅最高だったな〜。
なんかすごくおおらかなんですよね、何かあっても、全部笑って飲んじゃおうぜって雰囲気で。
スリにあってもキレたり騒いだりしないあの感じはすごいなぁと思ったけど、確かに騒いでもキレてもお金は戻ってこない。ネガティブな感情に支配されてる時間て、この世でいちばん無駄な時間だもんね。
それをサラっと見せてくれる心地良さ。
ヴェネチアに住むパパの旧友を訪問するくだり、到着から船が出るまでずっと最高なんですけど🤣可笑しすぎて客席みんな声出して笑ってました。
そして終盤、無断で留守にしていた家に帰宅するヴァンサン。
「ああまた日常に戻るんだなぁ」と思ったけど、家族のヴァンサンへの意識が、飛び出す前と少しだけど変わっていた。留守にした時間が、言葉ではなくとも家族に何かしら伝えてくれたのかもしれない。
また日常に戻ったとしても、それは旅行前とは少し違う日常になるんだろうなと思える静かに優しい鑑後感でした。
