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月曜日に乾杯!のsonozyのレビュー・感想・評価

月曜日に乾杯!(2002年製作の映画)
4.0
2002年 仏/伊 オタール・イオセリアーニ脚本/監督
英題: Monday Morning
ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)&国際批評家連盟賞 ダブル受賞

有毒ガスや廃液を出している化学工場で溶接工として働く主人公ヴァンサン。
絵を描くのが趣味だが、関係冷めきった感じの妻、ろくに会話しない二人の息子、孫と仲のいい祖母。

月曜の朝、いつものようにオンボロのルノー4と電車を乗り継ぎ工場に向かうが、日々の繰り返しに嫌気したのか、入口で工場に入るのをやめ、なんとなく父の家へ。
父が死にそうだと叔母たち3人が集まっていたが、ヴァンサンが行くと父は元気を取り戻し、ナポリ、カイロ、そして知人(侯爵)がいるヴェニスに旅してこいとアドバイス。持っていたリラ札を渡す。

家族には告げず、そのまま旅に出るヴァンサン。
ヴェニスでのあれこれが繰り広げられます。

『素敵な歌と船はゆく』同様、多彩な登場人物のキャラがいい!
化学好きでハンググライダーを作ったり教会の壁画を描くなど才能にあふれる長男
(その器用さで、文盲らしい男の恋文を書いてあげる手伝いもしてる)
くわえタバコでスポーツカーに乗って出かけちゃう祖母
部屋から単眼鏡で覗きするのが趣味?の牧師
ポストから回収した手紙を開けて盗み読む郵便屋さん
手作りのカゴを売りつけようとするジプシー一家
デカいワニを捕まえちゃう子供たち
なぜか女装してバーのトイレ番をしてネズミと暮らしてるヴァンサンの友人
ヴェニスに着いたヴァンサンがたくさんの荷物を降ろすのを手伝った美しい婦人
父の知人は見栄っ張りの侯爵...etc

印象に残ったのは...
ヴァンサンがヴェニスで出会った男や仲間とビーチでピクニック中
「今はワインは食事の一部でしかない。彼らのように歌いながら心の交流を楽しむ飲み方が素晴らしい」と語るヴァンサン。

その彼と二人で木のはしごで屋根に登り、ワインをラッパ飲みしながら、彼がヴァンサンに語る「これがヴェニスの街にあふれる息吹だ。君へのプレゼントだよ。」

夫ヴァンサンが勝手に出て行ってから時々届く絵葉書はすべて読まずに破っていた妻が、久しぶりに帰った夫に落ち着いて対応し、翌朝、夫にマフラーを巻いてやり頬にキスして仕事に送り出すシーン。

相変わらずネタバレ多め、失礼しました。
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