Motoki

天はすべて許し給う/天が許し給うすべてのMotokiのレビュー・感想・評価

4.3
時代は変われど人間の本質は変わらずか。
純粋に愛する人と結ばれたいという真摯な想いも、保守的な田舎町では偏見と侮蔑に満ちた視点で妨害されてしまう。誰もが自分自身のために人生を選択しても良いはずなのに、それが許されない環境。そしてその反対に自分勝手な決断を簡単に遂行できてしまう若者の愚かさ。テレビに映るキャリーの姿のなんたる皮肉。保守的で偏見に満ちた見方と人間本性の意志の弱さを強烈に風刺したこの作品は、公開から66年を過ぎた今でも、逆に今だからこそ、新鮮な驚きなしには見られない優れた名作だった。
早稲田松竹さんには、是非これからもダグラス・サーク作品を上映してもらいたい。
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