先日久しぶりにラッシュモアを観て、今作を年内に観てしまおう!と思い立ち鑑賞。
兄弟愛、家族がテーマの作品というのもあり、
監督と仲のいいオーウェン・ウィルソンやジェイソン・シュワルツマンが主役になることで、作品の内側からも滲み出る家族感にじーん。
たとえばタランティーノが血、暴力で「生きる」ことを語っていると言えるなら、
ウェス・アンダーソンは色と生きている者を通して「死」を語る監督なのでは。
黄色、青、白、そして黒。
母国語なのに伝わらない気持ちと
知らない言語でも理解できる信念。
止まらない電車と、
止まった時間から抜け出せない三兄弟。
こうした対比がところどころに散りばめられ、
観る人の目にも、自分の目にもそれが反射しているんだな、そんな不思議な結束感に嬉しさを感じた。
観た後にすこし悲しくなって、それでもって今、周りにいてくれる家族に感謝したくなる。
そして幸せで鮮やかな世界に忍んでる「死」を感じて、ちょっと怖くもなる。
やっぱり個性的な監督って、一貫したテーマをいろんな切り口で伝える力があるからすごいな、、。繰り返し観て分析したくなるほど。
絵本のような世界に住むリアルな登場人物たちが私たちに入り込み、「心の旅」へと誘い込む。そんな素敵な映画でした。
個人的に好きなシーン: 弟の書いた短編に感動したけどそれを見せたくなくてトイレで泣く兄。
短編のHotel Chevalierがここに繋がってくるのねと納得。