義民伝兵衛と蝉時雨

下女の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

下女(1960年製作の映画)
4.4
不協和音。
悍ましさ。
メンヘラ下女の狂気?
妻の猜疑心が育んだ被害妄想??
はたまた中年男の普遍的な性的願望???
とある一家の幸福からの転落模様。
それはギリシア悲劇を彷彿とさせるようなゾクゾクするような人間模様。
物語の所々にツッコミどころは見受けられるも、頓知の効いたドンデン返しが待ち受ける超絶ブラックユーモラスなオチには心底脱帽。
斬新極まりないこのラストにして、文句無しの大傑作だと、ダメ押しの確信。
カメラワーク、アングル、音楽、編集、前衛的で奇抜な独創的映像表現に終始目を見張る。これが1960年に作られたとは驚くばかり。同年公開のヒッチコック監督「サイコ」にも劣らぬ大傑作スリラー。