小嶋貴之

カノンの小嶋貴之のネタバレレビュー・内容・結末

カノン(1998年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

特異性はカルネで見てしまったものしかないけど、仕事が無くて、移民に仕事取られて、精神的に参っていく部分とか、しっかり現実的な問題の上に成り立つバイオレンスだから、集中して見られるんだなと、初見から20年後にわかりました。
あと良かったのが、画面がとても禁欲的でコントロールされてる事。最後まで街でエキストラと呼ばれる他者が最後のカット前まで一切出てこないのは、他者を意識出来ない主人公の狭い思考を表現してて、愛を感じたあとの最後のカットで、一転して風景に走る子供達など他者を登場させて、主人公の視野の広がりを見せるあたり、流石でした。
やはりただのバイオレンス映画では無かった。


で、ラスト観て、なんだよ妄想かよ…。肩透かし食らってるみなさん、よく考えて、全くこの主人公は救われてないんだよ。何も変わらない。同じ地獄が続く。
ギャスパーノエ、優しいなと思ったら、一番リアルで厳しい現実で終わらせてる。。。
小嶋貴之

小嶋貴之