埋葬されていた狼男が満月の夜に復活するが、変身の呪縛から解放されることを望んでいた。
そこで生命の謎を解明したフランケンシュタイン博士に救いを求めるが、彼はすでに死亡していた……。
フランケンシュタインのモンスターと狼男という、ユニバーサルホラー系の2大”スター”を無理やり共演させた映画。
ユニバーサル・ピクチャーズの『狼男』シリーズとしては2作目、『フランケンシュタイン』シリーズとしては5作目に当たる作品。
ようするに『フランケンシュタインの幽霊 』の続きであり、『狼男 』の続きでもある物語です。
狼男役はロン・チェイニー・Jr.が続投。
ロン・チェイニー・Jr.は前作の『フランケンシュタインの幽霊』で怪物役をやっていましたが、狼男と1人2役をやるわけにはいかないので、今回の怪物役はベラ・ルゴシに交替。
奇しくも前作でルゴシ演じたイゴールと脳を入れ替えられた怪物は、本作で何と役者まで本当にルゴシへと変わってしまったのであった。
『フランケンシュタイン』1作目をユニバーサルが作った時、ベラ・ルゴシはセリフがないという理由でモンスター役を断ったはずですが、気が変わったようですね。
『ビッグフットVSゾンビ』
『アダムとイブVS食人族』
『口裂け女VSカシマさん』
『キョンシーVSくノ一』
『熟女VSゾンビ』(MILFs vs. Zombies)
プラスかけるプラスは、必ずしもプラスにはならない。
しかしこの作品はなかなか面白い。
ていうか、物語はほとんど狼男の方で進んでいくので、フランケンシュタインの方は脇役になっている。
『ゴジラ』の系列もそうだが、フランケンシュタインの怪物も狼男もアイドル化してしまっているので、最初の作品にあった複雑な味わいやテーマ性はもうほとんどない。
もはやモンスターが単なるキャラクターと化したことを如実に物語る作品でもある。
とはいえ、好感が持てるのは作りこみへのこだわりで、ドラマ部分をしっかりと製作することにより、特撮シーンを浮き上がらせることなく作品世界を成立させています。
また、フランケンシュタインの怪物と狼男の共演は、この上なくわくわくする組み合わせでした。
フランケンシュタインの怪物を演じるのがボリス・カーロフだったならば、作品のクオリティはさらに一段上がったのは確実なので、出演できなかった事が悔やまれます。
印象に残ったのは、『狼男』でもいい味出していたジプシーのお母さん、マリア・オウペンスカヤ。
この人いいわ~。
黙って佇んでいるだけで、苦労人らしい存在感がしっかり出ている。
狼男ロン・チェイニー・Jrが「大きなダメ息子」っぽい雰囲気なので、2人のマッチングが最高です。
また、怪物と狼男のとっくみあいのケンカも見物です。
やや怪物優勢か…?
とにもかくにも、マニアには大変嬉しい映画でした。