天下の超かぼちゃ王大将軍

GANTZ:Oの天下の超かぼちゃ王大将軍のレビュー・感想・評価

GANTZ:O(2016年製作の映画)
3.0
「まぁ、CGやからな」

人気コミック、GANTZの大阪編の映画化。

人を救おうとして、通り魔に殺されたはずの加藤勝は、
なぜか見知らぬマンションの一室で目を覚ます。
そこにいたのは、弱々しいおっさん、小生意気な中学生、
ロケット巨乳のレイカ、そして人ひとり分くらいの大きさの黒い球体。
忘れてた。あと、モブのヤクザ。
何が起きたかわからない加藤勝に、
おっさんとロケット巨乳が「とりあえずスーツ着ろ」と言いながら、
何故か体が消失していく。
そして加藤勝の体も。
次の瞬間、加藤勝は大阪にいた。
そして、目の前には多数の妖怪たち。
これは、延々と続く、殺戮のゲーム。
謎の球体の指示により、制限時間内に異星人との殺し合いを強いられる。
選ばれるのは、1度死んだ人間。
この大阪の地で、異星人との食い倒れサバイバルが始まる・・・。
忘れてた。ヤクザはすでに死んだ。

■「脱せない技術サンプル映像集の域」

GANTZはコミックも全巻持ってるし、
大阪編はデカいやつも持っとる。

賛否両論のラストも含めて、結構好きな漫画で、
だからこそ、アニメ、実写を含めた動画化がうまくいかない事に歯がゆさも覚えてたし、
本作の予告はそれらの負の歴史の払拭を期待させるものだったわけで。

原作者の奥浩哉さんも絶賛やし、評判もいいしね。
期待して見たんやけど・・・。

悪いとは言わないけれど、思ってた域を超えられなかったというか・・・、
日本が定期的にチャレンジする「実写的なCGアニメ映画」のジレンマを解消できてないというか、
まぁ、いつもの日本のCGアニメやね・・・。

いや、その手法はGANTZにマッチしてたと思うし、
個々のシーンは見るべきものも多かった。

特にメカの表現、スーツの表現は相性が良くて、
これを見るだけでもコミックファンは満足できるんじゃないかと思う。

ただ、1本の映画としてどうかっていうと、
ん~、微妙・・・正直。

好きな人も多そうなんであれやけど、
個人的には、これまであった日本の実写系CGアニメ映画と同じで、
GANTZの映像化という部分を除けば、技術サンプルの映像集ってイメージが強かった。

GANTZを除くなって話かもしれんけど、
作品単体として、映画としての自立が出来てないというか。

ん~、個人的にはシックリ来なかった。

■「気持ちがついてかない」

これは本作に限らず、長編のコミックや小説の映画化には付きまとうはなしだけれど、
ダイジェスト感が強すぎた。

ある程度大胆にカットしてるんだけれど、
「再構築」ではなく、「カット」という引き算でしかなくて、
単に引いたものをつないでるから、とにかく導入も糞もなく、展開が早い。

「お前らGANTZ知ってるやろ?大阪編最高やろ?ほなこの映像どやぁぁ!!!」

みたいな。

けど、映画としてきっちり見るには、やっぱ徐々にというか、
映像の世界に入りきるための導入がほしいというかさ。

その世界への導入が丁寧じゃなかった分、
また、原作を下手に知ってる分、展開が余計に早く感じて、
ダイジェスト感が心のなかで強くなると、カットされた要素の方が惜しくなってくる。

ある程度、カットを繋ぐための改変はしてるんだけど、
接着剤で無理やりくっつけたみたいな。

映画の方が冒頭からぶっ飛ばしてるんだけど、
見てるこっちの気持ちは全然ついていけなかった。

■「演出面が弱い」

気持ちがついていけないと、いろんな所が気になってくるんやけど、
個人的に演出面が気に入らなかった。

結局、

①脅威的な敵
②ピンチ
③劇的逆転(音楽で盛り上げる)

をさ、延々と繰り返してない?
しかも、この音楽が毎回同じような感じというか。

盛り上げる曲を使おうと思ってるんやろけど、
なんやろ、延々とサビばっか流されたら飽きるやんみたいな。

またこの曲かって。

しかも、古いし、なんか曲。

もっと変化をつけて、要所でバーンと使ってくれれば感動もするけど、
ヘヴィローテーションみたいにかけられてもさ。

大阪編自体が延々と戦闘である分、
パッと見た感じの変化ってなかなか難しいとは思うけれど、
それにしても、同じサイクルの繰り返して、最後なんか飽きてしまった。

まぁ、オチ知ってるってのはあるやろけど。

しかも、変な引っ張り方するというか、
主に加藤がチンタラするというか、「はよやれやぁぁぁ!!!」ってイライラした。

もともと、CGアニメのアクションシーンって、
あんますごいと感じないというか、「まぁそらCGやからな」っていう部分があるというか、
なんだろね、リアル系に近づければ近づけるほど、
現実感が乏しくなるというか、迫力がむしろ乏しくなるというか。

好みなのかもしれんけど。

ま、その話したら、そもそもリアル系CGアニメは合わないって話なんやろけど。

■「加藤がキモかった」

加藤、あんなカマっぽいキムタクみたいな感じやったっけ。

いや、変な奴ではあったけれど、
原作ではむしろ一番人間味があったやつで、
割と好きではあるんやけど、本作の加藤がなんか、あんま好きじゃないw

これはなんでだろうね。
原作と同じことやってるんやろけどね。

表情がいつもキメ顔ってのはあると思うけど、
声もかなぁ、なんか、ウザい感じの方が先にたった。

展開の早さもあってか、好きになれない加藤やった。

■「ドラマで見たい」

とはいえ、GANTZの映像化で一番シックリきたのは確かだし、
合っているとは思う。

もうすこしシナリオ再構築して、
そして、できればドラマでやってくれた方がいいかも。

ま、クオリティ下がってしまうかもしれんけど。

ただ、個人的にはリアル路線はもう脱した方がいいんじゃないって思う。

今もう、ゲームでも結構なCG使われてて、
むしろそっちの方が今や本家というか。

確かに、ゲームのムービーシーンよりちょっとは凄いけど、
ちょっとだけというか。

結果、ゲームパートがない動画見てる感じがやっぱあるし、
不気味の谷ではないけれど、やっぱ何か越えられないラインがあるわな。

よりリアルに!って方向より、
もっとCGだから出来るタッチの方で質感というか、世界観出してった方が、
むしろリアルというか。

ん~、だらだら書いたけど、まぁまぁはまぁまぁ。

杏ちゃんの乳めっちゃ揺れてたし。

GANTZはエロいんだなって再認識できた点は良かったと思う。

期待した分。

ただ、たぶんやっぱり、今後はリアル系CGアニメはもう見ないと思う。

しかも、今知ったショックな事実。
Netflixであったのかよ・・・。
PSストアで600円でレンタルしてもーた・・・。