NAOKI

26世紀青年のNAOKIのレビュー・感想・評価

26世紀青年(2006年製作の映画)
3.7
「イディオクラシー」
これが本当のタイトル!

イディオット(バカ)と~主義のクラシーをくっつけた造語…「バカ主義」?

バカがちょっと政治的な意味を持っちゃった…というなかなか知的なタイトルなのです。

もちろん皆さんが言う通り…くだらねぇ馬鹿馬鹿しい内容の映画なのは間違いないです…
ただこのタイトルから分かるように10年以上前の映画なのに非常に先見の明のある意外と知的なメッセージが込められていて「隠れた名作」と言われる映画なのです…

そんないいタイトルの意味も分からず当時日本で流行ってた映画のパクり邦題をつけるなんて…
おれは元ネタになってる映画も大嫌いなので…こう思ったわけです。

「バッカじゃねぇの?」

500年後…地球はバカばかりになっていた!現代から人工冬眠でタイムスリップした主人公は…現代においては平均的ダメなやつなんだけどそこでは大天才になる!ってお話。

でも公開当時のアメリカではインテリ層が「こんな世の中で子供を作ってもしょうがない」と子供を作らなくなり、移民や低所得者など英語もままならない「国民」の子供たちで学校は溢れ教育現場は荒れ、子供たちの学力低下か社会問題になっていた。
けっこう移民問題や差別問題にも引っ掛かりそうな微妙なテーマをこんなふざけたタッチで描いたもんだから批判も多かったみたいです。

日本だって詰め込みがどうしたとか、ゆとりがどうしたとかでちょっと似たようなことありました。

このままでは世界はゆっくりと「バカ主義」に向かって行くのではないか?
…という警鐘が込められた「バカ映画」だったのです。

トランプさんが大統領になりそうなとき、あの言動は一時的な人気取りのためのポーズだとおれは思ってました。
ホントに大統領になったら意外とマトモな大統領になるのでは?と考えていたんです。
ところが…トランプ氏はホントに大統領になりその言動はこ存じの通り…今のアメリカ国民はこの映画をどんな思いで観るのかな?

現在…この映画を改めて観てみるとまるでおれの生活をデフォルメしただけに見えるシーンも多い気がするんです…

例えば電化製品なんか昔は壊れると…分解してハンダごてとか持ち出してけっこう自分で直せてた気がする。今では開けるとブラックボックス的な部品が多くてさっぱり直せない。

車も昔は止まるとボンネット開けて見てたもんですが、今は開けても無駄ですよね…

それより何より…今やスマホはおれの補助電脳です。

電話番号や住所はもちろん…知らない言葉や…どこかへの道順や…あの映画の監督や俳優…まったく覚える必要はありません。

おれのスマホがいつでも教えてくれるからです。
昔はそれを全部自分で覚えていたはずなのに…

そんなことをちょっと考えながら観ていただいたとしても…たぶんこの映画を観たら…みんなはこう思うのでしょう…

「バッカじゃないの?」

バカ主義😸💦
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