ホイットモア大統領

リングのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

リング(1927年製作の映画)
3.5
今から90年前、ヒッチコック28歳の時の監督作品。
そして、テーマはサスペンスでもなければ、もちろん、ホラーでもない、"ヒッチコック版ロッキー"と呼ばれるほどの人間ドラマ。

ストーリーもいたってシンプルで、
「見世物小屋のボクサーの男(主人公)が、そこのチケット売りの娘と結婚する。
しかし、彼女はたまたま小屋を訪れたヘビー級チャンピオンに恋をしてしまう。
次第に惹かれ合う2人だったが、夫である男は妻を取り返すため、チャンピオンに挑戦する。」
というもの。

セリフが無く、シンプルなドラマを成り立たせるための演出が素晴らしく、例えば、注いだシャンパンの泡が次のシーンでは無くなっている、という手法で時間の経過を表現するなど、ヒッチコックの才能が随所に垣間見える。

タイトルのトリプルミーニングもオシャレであるし、古い作品だが存分に楽しめた。