足跡

不安は魂を食いつくす/不安と魂の足跡のレビュー・感想・評価

4.5
我が敬愛するカウリスマキ監督が影響を受けた作品という文言を発見してすぐ鑑賞

人生に「でも」は禁物、という毅然とした老女の態度は欲求に対しても顕著に現れる。
孤独な老女と外国人移民労働者というマイノリティ性によって絆が強く結ばれた2人の関係は、ご都合主義的な周囲の人間の差別意識の緩和によって綻びを見せてゆく

場末のバーで出会った社会底辺層同士の恋愛模様。表情をあまり変えない2人の毅然とした態度とは裏腹に、欲求には愚直になり淡々と恋愛は進められる。最後は病気で倒れるシーンも含めると「枯れ葉」のシナリオに似ている。やっぱりカウリスマキのエッセンスはここから来ているんだと実感できた
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