『待つなジャンゴ 引き金を引け』って邦題に痺れるマカロニ・ウエスタン。もう何人目かも解らないジャンゴが父親の仇討ちと奪われた10万ドルのために戦う。別に流れ者という訳でもなさそうなジャンゴが何の説明もなく強いので悪党どもがとにかくバタバタ薙ぎ倒される。もはや趣を感じてしまう。個人的にはジャンゴと協力関係を結ぶバリカが良い味を出してて好きだし、利害関係だった彼が損得勘定抜きにジャンゴを手助けしてくれたのが友情フォーエヴァーでしみじみしちゃう。
全編を通して溜めがメインの作風なのに、カタルシスとなるべき主人公のガンアクションが単調なのがかなり痛い。演出も見せ方も似たり寄ったりであることが序盤の時点で明白になるので延々と続く溜めにいまいち期待が持てないし、そもそも主人公側の動きよりも悪役サイドの内輪揉めの方が話を動かしている感があって切ない。BGMで緊張感を引き立てようとしている努力も見受けられるけど、よくあるマカロニの枠を越えてない印象。主人公も典型的ニヒル系ガンマンだ。
