メル

仕組まれた罠のメルのレビュー・感想・評価

仕組まれた罠(1954年製作の映画)
3.9
画面一杯に映し出される鉄道のレールは運転席からの眺め。
そのレールは原野を真っ直ぐに伸びていたり、トンネルを潜ったり時には他のレールと複雑に交差する。
あたかもそれが人生を表している様な印象にも受け取れる。

原題は「 Human Desire 」人間の欲望、原作はエミール・ゾラというのが興味深いです。

朝鮮戦争から戻り機関士に復帰したジェフ。
操車場の助手カールは温厚そうに見えて時々短気になり、年の離れた若妻ヴィッキーには威圧的だ。

平穏な生活を望んでいたジェフがそのヴィッキーに会ったことにより、ある疑惑と3人それぞれの欲望に振り回されていく。

フリッツ・ラングの「復讐は俺に任せろ」のグレン・フォードとグロリア・グレアムがここでも共演し、キュートな顔立ちのグロリア・グレアムが今回はファム・ファタール的な役どころ。
最後に吐露する彼女の胸の内は浅はかな考えではあるけど、少し分かる気もする。

欲望にまみれてドロドロした場面が続いていても最後にはカラッとした一場面でまとめているので後味は悪く無い。

ジェフが友人の娘に日本土産として渡す着物が、お約束の様に変な着物です。
袖は袂の付いてない筒袖で、襟には「梅牡丹」の漢字が書いてある(笑)

運転席の様子やすれ違う機関車、終着駅に着いて切り離される機関車そんな映像も沢山あって鉄道好きにはワクワクする作品かもです。