1972年3月、連合赤軍による『総括』の名の下で行われた集団リンチ事件からあさま山荘事件に至るまでを実話ベースで描いた作品。
3時間越えでずっと観るのを躊躇っていたんですが、今年は事件発生からちょうど50年ということで、関連文書をいくつか読んだので意を決して鑑賞。
革命を目指して闘っていたはずが、気づけば『自己批判』と『総括』を理由に気に入らない人を痛めつけるただの犯罪集団へと変化してしまっている。内容は知っていたけど、それでもどうしてこんなことが起きてしまったんだと、信じ難い出来事。
事件の主犯格の永田は実際にカリスマ性があったようですが、それにしてもこんなにもごく自然にカルト宗教に洗脳されたように歪な従属関係が出来上がってしまうとは恐ろしい。この事件の発生原理は約20年後のオウム真理教の事件にも通じていると思います。ただの集団殺人事件では片付けられない、人間の集団心理の恐ろしさを目撃することができる貴重な映画です。