カテリーナ

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)のカテリーナのレビュー・感想・評価

3.5
消えない心の傷

1971年 8月 連合赤軍最高幹部である永田洋子が総括、自己批判という名で同士である筈の連合赤軍メンバー 遠山美枝子に暴行を繰り返し極寒の屋外に放置し殺害した山岳ベース事件の実態と あさま山荘事件発生までの道のりを描く
遠山美枝子を演じた坂井真紀が男性に色目を使ったと吊るし上げられ 食事も与えられず 柱に括り付けられていて排尿も垂れ流し 女性として 更に人間としての尊厳を徐々に失っていく様は そこに宿る 狭い世界の女の嫉妬心の恐ろしさである
遠山美枝子が容姿を気にし メンバー同士の男女の恋愛感情を 持ち込むことに激昂していた永田洋子本人が 外泊先でけろっと連合赤軍メンバーの男と寝ているシーンには唖然とする その歪んだ心に自分が気付いてないのか気付いていて平気でルールを破っているのか その混沌や傲慢さに心底震え
その為に失った命の価値を余りにも低く
扱う 永田洋子に戦慄し 鑑賞後には いつまでも燻り続ける憤りと共に決して消える事がない傷跡を残した
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