Clara

イングロリアス・バスターズのClaraのレビュー・感想・評価

3.9
タランティーノ作品はちょっと惨さがあるのに目が離せず、冒頭から入り込んでしまう。そして無性に観たくなる時がある。タイトルだけでは惹かれなかった本作だが、内容はバッチリ。第二次世界大戦中のナチス占領下のフランスを舞台にしているが、こんな描き方したナチスもの他にはないはず。鬼才の発想は一味違った。

5章構成になっていて、1章目はクレイジーさとか全くなしのまとも?な映画。クリストフ・ヴァルツ演じるハンスに惹きつけられた。単に冷徹なのではなく、頭がキレて穏やかにじんわりと核心に迫り逃げ場をなくすプロとでも言おうか、このキャラにちょっと意外性を感じた。
メラニー・ロランもよかった。復讐をたくらむ女のクールさがなんともよかった。そして、自作映画に登場する彼女の不敵な笑い声は特に印象的。

復讐劇と男達の闘いが予期せず絡み合っているのが面白い。あちこちに散りばめられているヒントを、初見では見逃していると思うから、もう1度観て繋がりを確認していくのもいいかも。惨い場面があるとしても重い雰囲気なく、むしろヒーローもののようなこの映画はとても不思議かつ、タランティーノ通でなくても彼らしいと思うような作品だと思う。