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イングロリアス・バスターズのtamagoのレビュー・感想・評価

4.0
ブラピ演じるレイン中尉率いるイングロリアス・バスターズと呼ばれる連合国の極秘部隊が、ナチス占領下のヨーロッパへ乗り込み、ナチスを殺しまくって、ヒトラー総統を苛立たせている。一方でナチスのランダ大佐に家族を皆殺しにされたショシャナが身分を隠して経営している映画館で、急遽ナチスの戦意高揚映画がプレミア上映されることになり、ヒトラーはじめ、ナチスの高官たちが勢揃いすることに。ショシャナはこれを復讐の絶好の機会と捉えて着々と計画を進めるが、連合国もバスターズ含めた暗殺部隊を派遣することになり…

タランティーノ監督作を久しぶりに観ましたが、バスターズというあり得ない設定で、痛快戦争アクションなのかと思いきや、冒頭のナチによるユダヤ人狩りの緊迫したシーンは、広大な田園風景から一転してユダヤ人を匿っている屋内での心理的な駆け引きで手に汗握らせる演出で、ドキドキしっ放しになりました。
時折挟まれるクローズアップが全編にわたって不穏な雰囲気を掻き立てていて、各シーンの緊迫感を増幅させています。けど、一番背筋を凍らせるのは、ランダ大佐を演じるクリストフ・ヴァルツさん。画面からこれだけ圧をかけられるのは、演技の上手い下手を超越してる気がして、圧巻でした。
完全にブラピを食ってましたね。
相変わらず、銃を狙い合ってからの駆け引きのシーンは、ナイフも絡んでのバリエーションがあり、ドキドキが止まらなかったです。
今作を観た後、『ワンス・アボン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、タランティーノ監督の集大成だったんだと、改めて感じました。
タラちゃんは、大人のお伽噺が描きたかったんかなぁと思ったり。
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