ねまる

イングロリアス・バスターズのねまるのレビュー・感想・評価

4.5
2018.6
はじめに言っておきますが、
個人的にタランティーノ作品が苦手です。

簡単に言うと、血がブッシャ系の銃撃戦が気持ち悪くて観られないから、爽快感がないことから、会話劇を楽しめてないから。

でもね、『イングロリアスバスターズ』
キャスト陣が最高で、それが何より楽しめました。

言わずもがな、"ユダヤ・ハンター"と呼ばれるドイツ大尉を演じたクリストフ・ヴァルツ。
最初のシーンから最高だったけど、全編通して、最高でした。
ナチス側がいかに憎たらしい演技するか肝だし、そのかなりの部分を担っていた印象。
まさか、アカデミーの助演男優賞まで受賞してるとは思わなかったけど。

そして、メラニー・ロラン!!
生き残りユダヤ人で、映画館主なんだけど、
とにかく美しくて、しかも復讐に燃える目がたまらなくて、だけど昔思い出して泣きだすところにもう完璧って感じ。
ばっきばきにメイクしてるところもいいけど、看板拭いてたり、カフェにいるナチュラルなシーンが結構好きだったりする。

章で言うと、
4章の元ドイツ映画評論家のマイケル・ファスベンダーとナチ少佐アウグスト・ディールの場面。
二人とも魅力的な俳優過ぎて、
「軍服ファスかっこよすぎるやばい」
「あー、アウグスト来たー、最高」
とガッツポーズしてたよね。
二人とも笑顔がいいよな、なんか不気味で。
この2人の共演を永遠に観ていたい。
ちなみにこの1連3回繰り返して観た。

あっ、個人的にはナチ側の戦争の英雄兼主演俳優のダニエル・ブリュール可愛かったから3章癒しでした。
1.2章とナチスvsバスターズの戦いが始まる予感からの一気にラブストーリー。
かなーり、メラニー嫌がっていることに全く気付かないあたり可愛いです。恋には純粋だけど、どこか誇り高いとこもね。
あまりに片想いが可愛いので、2人で逃げる場面を想像しましたが、タラちゃんに甘っちょろい展開を期待したのがバカでした。

特典映像の中に、
ダニエルが主演の『国家の誇り』フルで入っていたり、そのメイキングまでついてるなんてびっくり。
しかも役者たちも役柄でメイキングを喋ってるからまた面白い。


感想書いてて、思うこと、
「あれ?もしかして自分、結構好きだったりした?」
頭の皮を剥ぐシーンに、もう観ないと思いましたが、なんかこれクセになりそう…

2021.4
この作品からでしか得られない満足感があるとさえ感じるほど、大好きな作品になりました。
定期的に摂取しなければ生きていけない。
ああ、ビンゴ♪と陽気なハンス・ランダが観たい!!あの喋り方が観たい、ランダが出てくるシーンの緊張感を味わいたい!
ああ、クソ気持ち悪い笑顔のアウグストディールが観たい、頭にキングコングのカードつけて、ニタニタ怪演してる彼が観たい!!
ああ、外見ちゃんとしてそうだけど、頭の回転や賢さでは少し劣る内面を笑って誤魔化すファスが観たい!!4章だけ月1で摂取したい。
ああ、映写室に乗り込んで、本性がチラリしちゃうダニエルブリュールの絶妙な演技が観たい。
ああ、燃え盛る映画館でフラストレーションを爆発させたい。

2018年の私、あなたは今よりだいぶ過激な人間になっているようです。
この映画を愛しています。
3.8→4.5
ねまる

ねまる