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イングロリアス・バスターズのsaboのレビュー・感想・評価

4.3
観賞日2018/07/11

クエンティン・タランティーノ監督の傑作群像劇の決定版。

第一章『昔…ナチ占領下のフランスで』
1941年ナチス占領下のフランスの片田舎。この地を監督しユダヤハンターの異名をもつナチス親衛隊のランダ大佐。
行方不明となったあるユダヤ人酪農家を探しラパディット家を訪れる。

第二章『名誉なき野郎ども』
1944年レイン米陸軍中尉はユダヤ系アメリカ人8名の秘密特殊部隊を組織していた。任務はドイツ市民に紛れ敵地に潜入しドイツ人を吊し上げること。
レイン中尉の噂はやがてナチス上層部にも轟きバスターズという名前で総統アドルフ・ヒトラーにも伝わる。

第三章『パリにおけるドイツの宵』
1944年6月パリ。
ランダ大佐の襲撃から逃げ延びたショシャナはエマニュエル・ミミューと言う別名を名乗り、亡くなった叔父夫妻の経営していた映画館を継いでいた。
そんなショシャナに一目惚れをしたドイツ軍狙撃兵のフレデリックは、自らの活躍を描いたプロパガンダ映画『国家の誇り』プレミアム上映会をショシャナの劇場で上映するようゲッベルス宣伝大臣を説得する。
ショシャナはナチス高官が一堂に会する上映会の夜に家族を殺された復讐を行うことを決意する。

第四章『映画館作戦』
プレミアム上映会の情報はイギリスにも知れ渡り、バスターズメンバーとドイツ人人気女優でイギリスのスパイでもあるブリジットとタッグを組み襲撃する計画を企てる。

第五章『巨大な顔の逆襲』
ランダ大佐、ショシャナ、レイン中尉とアドルフ・ヒトラーを含むナチスの高官達が遂に運命を一つにし、劇場は各々の陰謀・大義・復讐の修羅場となる。

* * * * *

ナチス物と言うと緊張感が凄くて首の凝りそうな代物が多いですが、そこは流石タランティーノ監督といった感じです。
息詰まる緊張感もあれば、涙が出そうになるシーンに音楽で煽ってエモさを頂点まで持ってきたと思ったらいきなりブツンと場面チェンジ。
またあるまじきことにクスリと笑ってしまうようなシーンを挟み込んだり。
普通の(?)ナチス物だと不謹慎な様な、ちょっとうしろめたさを感じるんだけどそこはタランティーノ監督。
むしろ人としてナチュラルな感情かな?と思えてしまいます。
多民族、多国籍、多言語なキャスティングもより一層リアリティーがあって素晴らしかったです。
やはり『その国の言語』で演じているというのは映画全体の雰囲気を大切にする上で重要かなと思います。ブラボー(笑)
あと余談ですが劇中に使われる小物への細部の拘りがクエンティンワールドに良い色を添えてて、毎度の事ながら好きなポイントの一つです♪

ストーリー:4.1
ビジュアル:3.9
音 楽:4.5
キ ャ ス ト :4.6
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