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イングロリアス・バスターズのsのレビュー・感想・評価

4.0
『ワンス アポン〜』は観たのに『イングロリアス・バスターズ』を観ていないのはおかしいとのことなので今更観ました。

冒頭の農家のシーンから既にすごい。二者の口から放たれる台詞たちの一言も聞き逃してはなるまいって感じの緊張感と、重大な秘密を隠し持つ狭い部屋に閉じ込められた圧迫感とで色々と破裂寸前になる。テーブル→脚→足元→床へ下方向へとカメラが動き、画面はさらに床を突き抜け、地下で息を殺すユダヤ人たちの姿がフレームイン。そこから最後生き残りの娘(後の復讐女)が草原を駆け抜けるシーンまで息をするタイミングがなかった。
レア・セドゥの不安と恐怖が入り混じった表情のショットが数回出てきて、彼女の瞳には観る者に訴え、惹き付ける物凄い引力があるなあと思った。『あるメイドの密かな野望』のレア・セドゥを思い出したけれどこの印象的な瞳だけを残してその後登場シーンは一切なしという。

35mmフィルムの山に煙草の火が放たれるスローモーション、じわじわと燃え上がる炎に包まれたスクリーンの中の復讐女の笑い声が館内に響き渡る気味の悪さはジャン・エプスタンの『アッシャー家の末裔』のろうそくのシーンを思い出したりした。このシーンをそれに乗っ取ってサイレントで脳内再生するとなかなかイケている。
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