大通りの店/大通りの商店の作品情報・感想・評価

大通りの店/大通りの商店1965年製作の映画)

OBCHOD NA KORZE/The Shop on Main Street

製作国:

上映時間:128分

4.1

「大通りの店/大通りの商店」に投稿された感想・評価

稲生

稲生の感想・評価

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1965年アカデミー外国語映画賞受賞作品
イメフォで一回きりの上映
日本語字幕版DVDはない
最後ややグダついた感はあるがもっと多くの人が見るべき作品なのは間違いないだろう(次はいつやるのでしょうか)
屋根にとまったコウノトリのショットからカメラが緩やかに動いて人々で賑わう市内を俯瞰で映し出し、タイトルバックが入るとシーンは市中に切り替わる。恐らくは休日なんだろう、人々はいかにも楽しそうにはしゃいでいる。ある種のチェコ映画にしばしば見受けられるこういう温かみあるほのぼのとした導入から終盤どのような結末に繋がって行くのか、ストーリーは分かっていてもいざ見終わってなかなかに衝撃的であった。

外面と内面、建前と本音、世間体的体裁と身も蓋もない真実…。戦時下に生き延びるための世間智。もっと言えばチェコ的二面性。そのような二重性の表象と皮肉は、先にも記した屋根のコウノトリ(2回登場)、酒の入った人の良い家具職人が親ナチスの義兄をグラス越しに眺めて歪んで映る顔を捉えたショット(同じシーンの最後に義兄から貰ったタバコ入れに付いた鏡を覗いた際に同じく歪んで映る家具職人の顔もカメラは捉える)に表されているように思うが、老婆の店の真ん前にナチスによって建てられているタワーのようないかにもハリボテで陳腐なモニュメントにもまた苦笑させられる(独裁者はその権力を誇示するためにでかい建造物を作りたがるが、それが矮小化、カリカチュアライズされている)。

屋内と野外の空間的対比をもうすこし明白にすればより効果的な画面になっていただろうし、ちと長い。しかしそういう点を超えて胸に迫る作品。良かったっす。

※チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ特集で会期中1回のみ上映、おかげでイメフォむちゃくちゃ混んでました。予備席&通路に座布団まで出たぞ。
konomo

konomoの感想・評価

3.6
チェコスロバキア・ヌーヴェルヴァーグ特集にて。
ナチが接収したユダヤ人のおばあちゃんの手芸店を任されたスロバキア人の主人公が、おばあちゃんを追い出せないでいるうちに事態がどんどん悪化していく。

『善き人』みたいな意識せずに殺す方に回ってしまってた話とは逆パターンで、意識せずに助ける方に回って苦しむ話。志を持ってユダヤ人を助けていた友人は捕まって拷問され晒されて、ユダヤ人全体の移送も始まってしまう。罪のないおばあちゃんを助けたいけれど、本人は半分ボケちゃってて全く事態を理解してくれないし、捕まるのも怖い。

トーンがコミカルで、おばあちゃんとのやり取りがほのぼのだった分、後半の展開はほんとうにつらかった。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.5
2017.11.12 イメージフォーラム

終盤のおばあちゃんとのやり取りが若干グダついていたり、商店の目の前に建てられたモニュメントの光が店内に差し込んでくるシーンなど、映像として語り過ぎなところが無いこともないが、ペーソスとユーモア/現実と幻想とのバランス感覚が絶妙なストーリーテリングとその展開は素晴らしいし、グラス越しに義兄や妻の姿を見つめるショットや、主人公がおばあちゃんの旦那の姿に扮した夢を見るシーンとその反復も良い。
h

hの感想・評価

3.5
これは面白かった!
トノとおばあさんのかみ合わない会話が
笑いを誘う。

ラスト30分くらいだろうか?
怒涛のシーンは長かったような
短かったような...。
二人の演技がすごかった。


「僕はアーリア人、あなたはユダヤ人」
一生懸命説得するトノに対して、
「分からないわ」と言い続ける彼女。

コメディのように笑いを含ませる
シーンであるけれど、ここでは
彼女が年寄りで耳が遠くて理解力がない
わけではなく、なぜユダヤ人が差別されるのか?という単純な投げかけと
皮肉が込められている。
イメージフォーラムのチェコヌーヴェルヴァーグ特集で上映されるということで以前見たときの記憶を頼りに感想を書いてみる

全体として役者の動きとか主な舞台が限定されているところとか演劇的な印象で、折角見映えの良いピラミッド的建造物があったのに全然活かせてなかったところも含め映画的魅力に欠けていたけれども、思い返すと町の賑やかな感じがどんどん戦争に侵食されていく様とか主人公の世界が町から店へと次第に狭まっていく描写とかは割と良かったような気もする

それに結構退屈しながら見ていても対位法の効いた悲壮感漂うラストのおかげで最終的な印象はそこまで悪いものとならず、終わり良ければ全て良しとはまさにこのことだなと今思い出しても中々に痛快な気持ちになる
ninjiro

ninjiroの感想・評価

4.0
急転直下の恐ろしい結末。
前半のポジティブムードに、例えば同じユダヤ人迫害を描いたライフ・イズ・ビューティフルのような展開を予感しながら観進めるといい。
もっともこの作品の制作はそれよりもずっと前のことなのだが。
作画、脚本とも、素人目にも上手い造りとは言えないものだが、結末に向けての一連のシークエンスは、それまでのものとはテンションが全く異質。
全編通して観た後には…あなたの心には何が残りますか?
べらし

べらしの感想・評価

5.0
知られざる大傑作
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