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ルージュのdaiyuukiのネタバレレビュー・内容・結末

ルージュ(1984年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

女性週刊誌「ツイン」の編集部でカメラマンの勉と記者の引田が「ルージュ」と題された裏ビデオを見ている。コピーにコピーを重ねた不鮮明な画像を通しても、そこに映された女は美しかった。何者かが、この女を知っている、情報を買わないかとタレ込んで来たのだ。編集部はこの女を取材することを決め、彼女の住む横浜のマンションを訪ねた。前野陽子(新藤恵美)と表札のある部屋の女は、勉たちの意図を知るとにべもなくドアを閉めた。数日後、女から取材に応じると電話が入った。女の話によると、彼女は大手広告代理店の制作局長夫人であったが、夫が目をかけるディレクター村木(火野正平)がサラ金地獄のカタにビデオを撮ったのだという。勉は女に惚れ、デートを重ね編集部に写真の提出を拒んだ。見かねた引田は勉を横浜にある場末のバー「サガ」に連れていくと、そこには女と、彼女を騙した村木がいた。女の名は土屋名美という。数日後、どしゃぶりの雨の中で勉は店から出て来る名美を待っており、彼女にジッポのライターをプンゼントするのだった。名美は勉の好意を受け入れ、二人は唇を重ねる。村木には名美の他に明香という愛人がおり、クラブのママをしている彼女も村木との希望のない愛に疲れきっていた。明香は、村木と名美の部屋で「ルージュ」のビデオを見ると、そこに映っているのは、名美の恥態ではなくて、村木が撮った名美の美しいCFと、彼女が犯されるところをかばい、指を切られる村木の姿があった。これを見た明香は名美から村木を奪うことをあきらめた。名美のバーに夫の土屋が現れ、離婚届と金を投げ出すと、激しく彼女をののしる。村木も客たちをたきつけ、名美をからかう。夫や村木に絶望した名美は勉を探し、ホテルで食事をする。酔った勉が眠ってしまうと、名美はホテルを抜け出し、バーにいる村木を包丁で刺した。名美は血に濡れたライターを取り上げる。勉が目覚めたとき、名美はホテルに戻っていた。テレビのニュースで村木の死を知った勉は彼女をオートバイに乗せて海に向かった。名美の泳ぐ姿を見ていた勉は、側にあったライターを手に取ると、まだ固りきらない血が付着していた。あわてた勉は海に向って名美の名を叫んだ。うしろから「どうしたの」と言う笑顔の名美がいた。
石井隆の原作を映画化した切ないラブストーリー映画。火野正平が演じる村木は、ねじれたやり方でしか名美を愛することが出来ないのが、後の石井隆監督作品「ヌードの夜」で根津甚八演じた行方のような色悪的な村木なのが、石井隆ファンにはニヤリとさせられます。クライマックスで明かされる村木と名美の切ないすれ違いは、切ない。
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