爆裂BOX

バッドムーンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

バッドムーン(1996年製作の映画)
3.8
写真家のテッドはネパールのジャングルで狼男に襲われ恋人を殺され自身も重傷を負うも何とか倒す。数日後、テッドは姉ジャスミンと息子フレッドの所に現れ一緒に暮らし始めるも、飼い犬のソールはテッドの正体を見破り…というストーリー。
「ヒッチャー」の脚本を務めたエリック・レッドが監督務めた狼男ホラーです。
マイケル・パレ演じるテッドがジャングルのテントで恋人とエッチ中狼男に襲撃され、恋人は惨殺されショットガンで狼男の頭を吹っ飛ばす冒頭はテンション高くていい感じです。その後、姉ジャスミンと息子フレッドの元に突然現れ庭にトレーラーハウスを置いて一緒に生活を始めるも、飼い犬のソールはその正体を見抜き、家族を守る為戦いを挑むという内容です。
とにかく本作の主役と言っていい飼い犬のソールが素晴らしい。マイケル・パレに負けず劣らずの名演技披露してくれます。登場時から息子フレッドと遊んでいて、怪しげなセールスマンが来たらさっとフレッドの前に守るように立ちますし、セールスマンに吠え掛かって押し倒しても噛みませんし、寝る前にフレッドやジャスミンの部屋を見回って安全確かめてから暖炉の前で眠りにつくナイトぶり。初め久々に会うテッドに嬉しそうにするも、すぐ異変を感じ取り警戒していく表情や家族を守る為敵意をむき出して対峙する姿等表情豊かに演技してくれます。イケメンなジャーマン・シェパードでした。
狼男テッドは着ぐるみですが、獣人って感じじゃなく狼そのものな顔のデザインは良いですね。変身シーンは一度だけでCG使った?モーフィング処理で「狼男アメリカン」や「ハウリング」の様な見応えあるものではないですね。本編では犠牲者は作業員とセールスマンだけで意外と少ないです。セールスマンは逆恨みしてナタでソールに仕返ししようと来てた奴だからむしろ狼男GJ!って感じ。銀の銃弾以外でも倒せて満月じゃなくても夜になると変身します。テッドも望んで狼男になったわけじゃなく、手錠で木に自分繋いで抑えようとしたり気の毒な所あるんですけどね。でも、家族の愛で救われるかもと思ってきた割にソールを嵌めて保険所送りにしてほくそ笑んだりする所はちょっと違和感。ソールと睨み合いながら「俺達が対決するときも近いな」という所はちょっとかっこいい。
姉ジャスミンはいくら目の前で弟に噛みついたとはいえ、あれだけ守ってくれてたソールを保健所に渡すのは酷い。最後息子守る為に狼男に銃弾撃ち込みまくる姿はかっこいいけど。フレッドはこっそり言え抜け出してソール助けに向う所良かったです。
クライマックスのジャスミンに襲い掛かる狼男と夜道を疾走して助けに向うソールを交互に映す所はハラハラします。狼男との戦いでは引っ掻き、噛みつき、投げ飛ばしてお互い血みどろになりながら壮絶な戦い繰り広げてくれます。ソールに飛びつかれて二階から落下したり結構スタントも頑張ってる。その後森の中で「殺せ」に応じて引導渡す所もなんか渋い。
ラストはアレだけ傷負ったらソールも狼犬になるんじゃ…と思ったところであれ来たので、夢オチで終わって本当良かった。
かっこいいイケメンジャーマン・シェパードの活躍も見れる狼男物の中では隠れた秀作といった作品ですね。でも日本ではVHSしか出てないんですよね。せめてDVD出してほしい。