青山祐介

レオポルド・ブルームへの手紙の青山祐介のレビュー・感想・評価

2.0
6月16日は「ブルームの日」です。
ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ(1922年)』は、1904年6月16日木曜日のたった1日を描いた小説です。
《登場人物たちは…一種運命のゆっくりした舞踏のなかの入念に構成された生きた部分として、来たっては去り、出会っては別れ、そしてまた出会う。数多くの主題の反響が、この小説にもっとも顕著な特色の一つだ。》V.ナボコフ「ナボコフの文学講義 ― ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』」野島秀勝 河出書房 2013年
この日は、ブルームの1日を記念して、ユリシーズの中の1挿話を読み返すのが、私の毎年行なっている習わしになりました。去年で18挿話が終り、再び第1挿話のマーテロ塔にもどる予定でしたが、今年は、「ユリシーズ」に由来する(だろう)映画を観ることにしました。
メヒディ・ロウジアン「レオポルド・ブルームへの手紙」2002年 イギリス=アメリカ制作
この映画には吃驚しました。ユリシーズという文学作品のどこからこのような映画が生まれてくるのでしょうか? 映画の良し悪しではありません。
「ブルームの日」は、わたしにとって、文学と映画の関係について、あらためて考える日になりました。
青山祐介

青山祐介