リアルな人間ドラマと社会派サスペンスを巧みに組み合わせた、屈指の大作で名作かと。
そう、実際起きた沈没事件と大火に着想を得て、殺人事件と逃亡劇を当てはめたイントロから…あの恐山でのホラーかつエロチックな演出にと、序盤だけでもかなりの見応え。
よって、中盤の老刑事の追跡描写はややダレるも、終盤のサスペンス劇できっちり盛り返し…海峡を渡った三者三様の姿を、骨太に描き切った内田吐夢監督の手腕には脱帽。
そして、名優の三國連太郎の熱演が作品をしっかりリードし…伴淳三郎と左幸子の見事なサポートに、高倉健もいい仕事してます。。
にしても、あのラスト…“戻る道ないど~、帰る道ないど~”って呟きが、頭の中でリフレインしまくりましたね。