クモ怪人

飢餓海峡のクモ怪人のレビュー・感想・評価

飢餓海峡(1965年製作の映画)
3.8
津軽海峡から不気味な風の音が聞こえる。人のうめき声にも似ている。モノクロの粒子の荒い映像が迫力をそそる。水上勉の代表的な推理小説の映像化に圧倒される。愛と哀しみ、ドロドロとした人間の欲望に飲み込まれる。これは溺死するっ!

強盗放火殺人事件と青函連絡船の転覆事件が交錯する。三國連太郎が深い心の闇を表現する。左幸子の津軽弁が心に優しく響く。伴淳三郎の浪花節調の語りに涙が出る。高倉健の気合いに震え上がる。役者の存在感が凄すぎる。

興行的に大ヒットした邦画の金字塔!何ッ、この重量感は?力を入れ過ぎた莫大な予算オーバーとなり、幹部が処分された恐ろしい問題作。バッキャローッって言いたいけど言わない…
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