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ブレインダメージのhorahukiのレビュー・感想・評価

ブレインダメージ(1987年製作の映画)
3.7
ち◯この形をしたモンスターが変な液(意味深…)で主人公を操り、色んな人の脳ミソを食い漁るゲテモノ系モンスターホラーコメディ。

あらすじ…
急に現れたち◯こモンスター(エルマー)に変な液体を脳内注入されたせいで、現実がカラフルに見え始めた主人公。その高揚感が凄まじく、効力が切れてくるたびにエルマーにおねだりするように。エルマーは快楽を与える代わりに人間の脳ミソを食わせてほしいと主人公に要求。欲望に逆らえなくなった主人公は…。

ドラッグムービーです。
エルマーは麻薬そのもので、エルマーに依存していく主人公は完全に麻薬中毒者。ドラッグムービーをち◯こ型モンスターによる下品なホラー作品として完成させたフランクヘネンロッター監督はさすがですね。同監督の代表作『バスケット・ケース』に匹敵するくらい面白かったです。正直こっちの方が好きかも(笑)

主人公の禁断症状がアホっぽいんですけど、妙にリアルなんですよね。残っている理性でエルマーを拒絶しようとするも、禁断症状がもたらす幻覚に耐え切れず、エルマーを求めてしまう。主人公の心の中の葛藤をそのまま映像化したかのような、エルマーと主人公の根比べはシュールで面白い。

エルマーは見た目がキモいのに、渋くてイケオジ風な良い声をしてて、人間より高い知性を持ち合わせてそうなインテリなナイスキャラ。どうやら遥か昔から生きていたようで、過去の権力者たちに重宝されていた様子。エルマー=麻薬だから、そういったところも意味深ですね(^_^;)

低予算ホラーながら、映像やエルマーの造形も凝ってて見応えがあります。脳ミソに青い液体注入されて電気がバチバチしたりとか、ズボンのチャックからち◯こみたいに飛び出してくるエルマーとか、自分の耳から脳ミソがズルズル出てくる幻覚とか映像センスはさすが!

あと『バスケット・ケース』を思わせる大きいバスケットを抱えた青年が出てくるというファンサービスも嬉しいし、笑ってしまうくらいインパクト大な最高なラストシーンも遊び心溢れる監督らしくて大好き!

ヘネンロッター監督の作品に共通して描かれるのはニューヨークという大都会の中の薄汚い暗部。監督が描くニューヨークはとにかく汚くて暗い。外から見ると一見華やかだけど、その裏側には暗いものが巣食う。監督がそういったことを描こうとしたのかはわかりませんが、麻薬という題材を描くにはバッチリな舞台だし、暗くて汚い雰囲気はホラーに抜群に合いますね♫
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