くずみ

春琴物語のくずみのレビュー・感想・評価

春琴物語(1954年製作の映画)
4.3
道修町の薬種問屋の内をたっぷりと見せる。“モダンタイムス”みある加工場や、引き出し収納の奉公人箱膳など、細部まで作り込む。「こいさん」デコデココーデは歩く美術品。女性の髪型がバリエーション豊か。

伊藤熹朔、佐野繁次郎(船場出身)、武原はん、宮城道雄、甲斐庄楠音に若き木村威夫と、盤石の布陣で築く『春琴抄』。
それを受けて立つ京マチ子。眼を閉じてても美しい。地唄舞『雪』と、手探りで歩みながらも絵になる姿勢を保つ技量に関心しきり。

佐助の決行までに、これでもかこれでもかと何カットも費やす。いいからひと思いにやってくれ〜!と身悶え。
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