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アンビュランス/地獄の殺人救急車 狙われた金髪の美女のJeffreyのレビュー・感想・評価

2.8
「地獄の殺人救急車/狙われた金髪の美女」

冒頭、とある平日の夜。男の1人称、人ごみの多い街のショット、不可解な日常連続失踪事件が発生。おぞましい陰謀、鍵に潜む何か、漫画家の男、救急車、聖フランシス病院、ルームメイト、。今、消えてしまった女性を探すべく1人の男が翻弄される…本作はサスペンスの名手ラリー・コーエンの隠れた傑作で、昔に購入したBDを久々に再鑑賞したが面白い。主人公がジュリア・ロバーツの兄貴のエリックロバーツで、俺はこの作品で彼女のお兄ちゃんが俳優だってことを知った。監督自体はカルトホラーの「悪魔の赤ちゃん」シリーズを手がけた人で、脚本家としても知られている。特に06年に公開された「フォーンブース」の脚本も確か彼だった。この作品はスリリングなストーリー展開があり、深夜枠で地上波とかで流れたらかなりざわつく映画だ。

この映画のスタッフにはなかなか素晴らしい人材がいて、撮影には「エルム街の悪夢」や「ヒドゥン」のJ.ヘイトキンが勤めている。さらにファンにとっては嬉しいことに「スターウォーズ」のダースベーダーの声優で、ジェームズ・アール・ジョーンズが出演しているほかコミック出版社の編集者役で「スパイダーマン」「アベンジャーズ」「アイアンマン」といったコミックの原作者であるスタン・リーがカメオ的に参加しているの見所である。

ちなみにBDには木曜洋画劇場の吹き替えも入っている。

さて、物語はジョシュアが臓器売買に関わる秘密組織がドナー調達のため、ニセ救急車を使って糖尿病患者を誘拐しているという、戦慄の事実を掴む迄を描いたサスペンスドラマだ。


冒頭、主人公である男ジョシュアの1人称で始まり、人混みの多い街の描写へと変わる。その男は日昼から女性を尾行しナンパしようとしている。それを長回しで撮影する。そして彼女はめまいがしてその場で倒れてしまう。救急車に運ばれ彼女は入院。男は友達が倒れたと言い仕事を休むと上司に伝える。続いてカメラは、病室に怪しげなスーツ姿の男が来る。男は女の口を塞ぎ脅しめいたことをする。カメラは変わり、警視署の中へ。先ほどナンパした男が警部補に消えてしまった女性を探してくれるか頼んでいる。

そして主人公の男は気分が悪くなり救急車を呼ばれて、狼狽し必死に慌てふためく…。そうした中、少しずつ女性を誘拐した人たちのに近づいていく彼の翻弄が映されていく…と簡単に説明するとこんな感じで、VHSの時は邦題が変わっていて原作のまんまだった確かアンビュランス。

コーエン監督はNYを舞台にした作品が目立つが、珍映画と言えば「空の大怪獣Q」だろう。数年前にBD化された。

都市伝説めいた作品を撮るのが好きな監督なんだと思うが、そこら辺は同じく郊外を中心に恐怖を描くキング原作のホラーとは違うところなのかもしれない。先程言ったNYを舞台にしたホラーだとやはり「マニアック・コップ」が浮かぶ。都市伝説を具現化した作品ではエンタメに満ちた1本だと感じる。ところで拐われる女性が黒髪なのに対しては突っ込まない方がいいのかな…笑。サブタイトルが…。

最後に、この作品の面白い所はやはり主人公がコミックアーティストで、マーベルスタジオが垣間見れる、というか登場する所だろう。
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