レネリー

アウトレイジのレネリーのレビュー・感想・評価

アウトレイジ(2010年製作の映画)
4.5
Blu-rayにて再鑑賞。

もう何回目の再鑑賞になるかわからないし、台詞を朗読できるくらい好きな映画。

全ての始まり。
本作はカンヌ国際映画祭パルムドールノミネートされ、映画祭では最低評価ではあったが、我が国では熱烈なファンが多い作品だ。
切った張ったの世界から経済ヤクザへ転落し、内輪揉めを題材に非道な下剋上を描く本作は、現代社会のサラリーマンと何ら変わらない社会性を反映しており、どこにでもあるような歪みまくった社会、ライバルや仲間を無残にも蹴落とし終わりの見えない裏切りや陰謀をバイオレンスかつグロテスクに描く。

現代社会の投影だけでなく、本作の魅力はバイオレンスシーン。
歯医者のドリルを使ったシーンや銭湯、サウナでの殺戮、ロープと車を使った首チョンパなどバイオレンスのアイデアも斬新かつ新鮮味がある。

大友の末路の始まり。
貧乏くじばかり引かされる主人公が折り返しの効かない道に進み、しまいには破滅へと追いやられていく群像劇。
静寂の中に広がる怒号と殺戮、裏切り。
これまでの芸術的映画とは打って変って任侠映画で娯楽性溢れる傑作だ。
レネリー

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