ゆりな

ココ・アヴァン・シャネルのゆりなのレビュー・感想・評価

ココ・アヴァン・シャネル(2009年製作の映画)
3.7
全体的な雰囲気としてはシックで華やか過ぎず落ち着いた映画。

この時代の他の映画とは違って、主人公のココが嬉しい瞬間は華やかなパーティーでも刺激的な恋でもなく、シックなワンピースで初めて見る海を歩くときに、派手じゃない男性と歩くときなんだなぁ。
でもまさに「波長が合う」なんだろうなぁ。

冒頭の社交界華やか〜!
赤いドレスで踊るココ、「蜜のあわれ」の金魚みたい。
どんなに辛い状況でも泣かずに目がキッと吊り上がるところ、強い。

寝起きで居間に降りたら、ピアノを弾く男性がいて……もしかしてストラヴィンスキー!?って思っちゃったよね。

シャネルは晩年に当時を「二人の紳士が私の熱く小さな体を巡って競り合っていた」と回想している、とwikiにあるように恋愛関係は不思議だったけれど、納得した。2人とも愛人なのね。そして政略結婚がある時代。

流されず自分の意志で動く姿がかっこいい。ただ、あまり努力したシーンは描かれていない。
静かできれいで、そもそもオドレイ・トトゥが好きなので満足なのだけれども、恐らくみんなが見たかったであろう一号店を開く話が飛んでいて、急にオープンする。

ただずっと「自分で稼いで富と名声を得たい」と言っていたココがきちんと有言実行して、お店を開いて成功したあとは自信に溢れる表情も佇まいもよかった。
別人のようで、さすがオドレイ・トトゥだなぁと。

サラッと見られる、3人の関係を丁寧に描いていた映画。
ゆりな

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