SEIJISAN

グラディエーターのSEIJISANのレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
5.0
当時劇場で観て勝手に「次のアカデミー作品賞は間違い無く本作だろ...」と泣いていた記憶。ローマ帝国の帝王になるよりも、愛する家族と一緒に農業を生業に生きる事を望む天性のカリスマ性を持った男が辿る絶望。奴隷にまで身分を落とし、剣闘士として生かされる。絶望の淵から友人が出来、次第にそのカリスマ性からローマ人の心を惹き付ける。それとは逆に実の父に愛されず歪んだ心で皇帝の座に付いた男は、剣闘士となった男の家族を殺害を命じた張本人。様々な人の人生を巻き込みながら剣闘士と皇帝は相対する事となる...。タイムマシンに乗ってきた様なリアルなローマ帝国の街並みに眼を見張る。剣闘士同士の戦闘シーンの迫力と美しい映像美に心を奪われる。濃厚で無駄の無いセリフのみで構成された人間ドラマ。音楽はハンス・ジマー。闘いのシーンで流れる音楽をまさかの「ワルツ」で聴かせる才能。サントラ盤は屈指の名盤。作品を構成する全ての要素が「完璧」であり、シッカリと「リドリー・スコット作品」を主張する作家性も備える。傑作中の傑作の一作ですね。
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