菩薩

アルプス颪の菩薩のレビュー・感想・評価

アルプス颪(1919年製作の映画)
3.8
ある登山家が「貴方は何故エベレストに登るのですか?」との問いに「そこにエベレストがあるからだ」と答えたそうだが、この作品でシュトロハイム自身が演じる似非将校に「貴方は何故女のケツばかりを追いかけるのですか?」と聞いたら「そこにケツがあるからだ」と答えるに違いないと思った。「離縁は愛情の冷却によって起こる」なんて随分素敵な文句だと思う、これを観たパパさん達はきっとその足で青山フラワーマーケットに向かう事だろう、薔薇でも一輪買いに、俺も帰りに寄ろうと思った、が嫁がいない事に気付いて涙した。古今東西、昔も今もアルプスが世界の最高峰の一つである事には変わりないし、寂しげな人妻が女性の最高峰である事にも変わりはないだろう(うそうそうそ…)。男子たるもの誰しもが冒険者であるならばリスクを冒してでもその頂きを目指さねばならない、そんな教訓がこの作品からは見え隠れ……しない!だってすげぇ惨めだもの、置いてけぼりにされて「俺わーい!?」からの落下、クソだせぇ…。真の山男ことザップ(だっけ?)がもっといい感じに活躍してくるのかと思ったら、最後銭形的警部立ち位置で終わってて爆笑した。雪山にはセントバーナードがよく似合う、あのイッヌがセントバーナードであったかは自信が無いけれど。他人にザイルを握らせてはならない、人生のザイルは己で握るべし、ちなみに俺は筑波山しか登ったことがない、遠足で行ったのだ。
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