通りすがりのアランスミシー

まなざしの通りすがりのアランスミシーのレビュー・感想・評価

まなざし(2015年製作の映画)
3.7
刑務所帰りの老いた親の介護を娘がする、その姿をひたすら淡々と描いた
非常にしんどい映画。

セリフが極めて少なく、音楽も全くといっていいほどない。
極めてストイックな作りで93分が180分に感じるくらいに鑑賞ストレスの高い作品だが、虚飾を排し同じことの繰り返しをしつこいくらいに描写しているのも「介護は出口の見えない作業」という現実を見せつけるのためという明確な意図を感じる。
また、終始一貫して客観的な描写を通しておりインディーズ映画にありがちなひたすら自己主張を積み重ねる傲慢さが無い点にも好感を持った。
(だったらドキュメンタリーでやればいいんじゃないかという疑問が浮かばなくは無いが)

積極的に観ようとは思わないし人にも勧めないが存在することに意義があるそういうタイプの作品。