ペコリンゴ

拳銃貸しますのペコリンゴのレビュー・感想・評価

拳銃貸します(1942年製作の映画)
3.7
記録。
射抜く復讐の弾丸。

たまにはフィルムノワールでも観るかって事で、戦時中に公開された本作を。当然当時の日本では未公開。

依頼人にハメられて警察に追われる身となった殺し屋。彼は追手をかわしつつ復讐のために依頼人の男を追うが、ある別の理由で男を追うマジシャンの女性と偶然にも列車で乗り合わせる。警察の目を掻い潜るため女に協力を強制し、あまつさえ殺してしまおうとする殺し屋であったが…。

若干コメディ臭のする邦題とは裏腹に極めてシリアス。その一方で荒唐無稽な感が否めない部分もあり。例えば殺し屋が警察に捕まったら依頼人も困るのでは?とかね。

まだまだ古い作品に疎い僕はアラン・ラッドもヴェロニカ・レイクもお初にお目にかかるのだけど美男美女はやはりモノクロに映えますね。本作以降、2人の共演作は何作か作られているようなので、いずれ観てみよっかな。

本作で長い下積みから脱却したらしいアラン・ラッドが演じる殺し屋レイヴンは、無表情かつ非情で冷淡ながら、猫を愛でる優しさを見せる男。このキャラクターがとても良いんですよね。

パズルのピースのような人間関係が紡ぐ、これぞフィルムノワールって感じのラストも良かったかなって思います。