kazu1961

稲妻のkazu1961のレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-126 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋成瀬巳喜男監督と高峰秀子コンビの名作です。林芙美子の原作を田中澄江が脚色しただけあって、次から次へと男と女のドロドロした問題が続発します。。。物語も重たく、4人の子供の父親がみな違うという複雑な母子家庭で、母と異父兄姉たちの醜さに愛想をつかした末娘清子(高峰秀子)が、家を出て自立し成長していく姿を描いた物語。いかにも昭和!!ほんとこれだけ人間のさがを描きながらも客観的に見て淡々とありのまま描き、最後には清々しさすら感じさせるのはさすが、成瀬巳喜男ならでは。ここが名作と言われる所以ですね。

🖋それぞれの登場人物のキャラクターが生々しいのは、俳優陣の好演もあってこそ。クライマックスの清子(高峰秀子)と母親(浦部粂子)の泣き合戦と微笑み合戦には心を鷲掴みにされるほどの熱演です。このシーンはほんと印象に残ります。

🖋そしてその生々しさの中で“えっ”と思ったのが、浮気をした方の女性が本妻にお金を要求するところ。。。今の時代だったら本妻が慰謝料を請求するところですが、こんなことがまかり通る時代だったんですね。。。

🖋主人公清子がバスガイドとして働いているため、車窓からのぞく風景は東京の原風景を知る上でとても出色なシーンです。そして多くの物売り、深川、神田、世田谷。。。下町と閑静な街の差なども巧く表現されています。

😌Story:(参考: allcinema )
バスガイドとして働く清子には2人の姉と一人の兄がいた。しかし、4人とも父親が違った。ある日、長姉夫婦が清子に縁談話を持ちかけるが、清子には姉夫婦の意地汚い魂胆が見え透いてしまいとても話を進める気になれない……。

🔸Database🔸
・邦題 :『稲妻(1952)』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1952
・日本公開 : 1952/10/09
・上映時間 : 87分
・受賞 : ※※※
・監督 : 成瀬巳喜男
・脚本 : 田中澄江
・原作 : 林芙美子
・撮影 : 峰重義
・音楽 : 斎藤一郎
・出演 : 高峰秀子、三浦光子、村田知英子、植村謙二郎、香川京子

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
企画は「大学の小天狗」の根岸省三、林芙美子の原作から「めし」「紅扇」の田中澄江が脚色し、「おかあさん」に次いで成瀬巳喜男の監督したもの。撮影は「呼子星」の峰重義が担当している。出演者は、フランスから帰国後「朝の波紋」「東京のえくぼ」と二本撮った高峰秀子、「利根の火祭」の三浦光子、「丹下左膳(1952)」の村田知英子との三姉妹役に、丸山修、浦辺粂子、中北千枝子、小澤榮などである。
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