わかめ昆布

稲妻のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
3.8
「育ててもらわなくたって良かったわ、産んでもらはなくたって‥」

思っていても言っちゃいけない、タブーな台詞ランキング上位をサラッと自然に言い放つ。超家庭環境複雑ながらも、拗ねず曲がらず、美しい日常を求めてカラッと明るい清子に救われるし、この役柄だからこそ許されるセリフである。

「育ててもらったんだから」世間様が口癖の様に放つこの台詞を足蹴にし、強い姿勢でしなやかに家族と向き合う姿に励まされる。
又、泣いて喧嘩しても次の瞬間には笑い合えるのは親と子の独特の空気感だよなと感じた。

人間的に気持ち悪い人が沢山出てきて、人間くささが凄くジメジメしそうな話だが、美しいクラシックの調べと高峰秀子がそれを見事に打ち消す。
凛とさせたら高峰秀子の右に出る者無し。
わかめ昆布

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