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10番街の殺人のkotaのレビュー・感想・評価

10番街の殺人(1971年製作の映画)
2.8
実話ベースだと思うと怖いんだけど、いまとは違う時代ならではの演出もあって怖いというより不気味。
今のように緻密に緻密に作り込んだものとは全く違う不気味さや怖さなのね。
登場人物たちの振る舞いの、当たり前感がすごくて。
クリスティの無にすら見える表情の奥には、まっ暗い洞穴か、粘度の高い底なし沼が口を開けているよう。
「変態です!」と宣言しているのではなく、「ちょっと独特だけどいい人」テイストの端々から滲み出てしまっている本域の変態感がすごい。
アッテンボロー圧巻の変態っぷりでした。
知識も知恵も経験もないティム、そしてその家族がとても隙だらけに描かれていて、まさに格好の餌食。
実話ベースというのもあるかもしれないけれど、画的にはっきりくっきり残虐な描写をしているわけではないのに、「わー、なんかすげー残虐な映画観ちゃった…」という気持ちになる。
描くも手法、描かざるも手法、なのね。
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