茜

シュランケン・ヘッド/アメリカの怪談の茜のレビュー・感想・評価

3.7
これは珍作!ゲテモノ!でも面白い!
真面目なホラーなのかなと思って観ていたら、間の抜けたBGMですぐさまコメディだと認識した。

いつもヤンキーに絡まれている3人組の男の子。
ヤンキーの悪事を警察にチクったら報復として銃殺されてしまう…。
しかし彼等と親しくしていた雑誌売りのおじさんが実はブードゥー教の魔術師で、彼等の生首をこっそり自宅に持ち帰って魔術で蘇らせてしまうというとんでもない話。

シュランケン・ヘッド=干し首という事で、少年達の頭部は念入りに鍋で煮込まれ干されているので、蘇った頭部がちょっと小柄になってるのが可愛い。
少年達は自分達を殺したヤンキーへの復習を目論むんだけど、めちゃくちゃチープなCGで街を飛び回る干し首の姿がシュール過ぎて、こちとら全く感情が入らねえ…(笑)
オマケにジャズだったり民族音楽だったり、はたまたノリの良いポップスだったりと、ジャンル多彩な音楽セレクトも聴いてて楽しいけど何処か浮いてて笑えてくる。
少年達に殺されたヤンキーはゾンビになり、屁をこきながら社会奉仕をし始めるという設定も訳わからんくて面白い。

生前の恋人に自分のいきさつをテレパシーで説明するシーンのワイプに笑い、ラストのヤンキー軍団vs首だけ少年バトルに笑い、首だけなのを良い事に彼女の胸元に潜り込む少年のスケベ心に笑う。
ノリ良し、テンポ良し、チープさもこれまた良し。
ホラーコメディの隠れた良作なのでは。
茜