Masato

スーパーバッド 童貞ウォーズのMasatoのレビュー・感想・評価

4.6

若かったあの頃へ捧ぐ、美しき愛の物語

セスローゲンとエヴァンゴールドバーグが送る、純度100%にして不純度100%のバカコメディ。

童貞のオタクどもが卒業パーティのために酒を調達するだけの話でここまで展開できる二人の発想力が凄まじい。終始バカ展開でハチャメチャで支離滅裂の連続に、ホロッと泣けるブロマンス要素ありでさすがの傑作。

主人公の名前がセスとエヴァンなので、セスローゲンとエヴァンゴールドバーグの昔を投影しているのだと思う。二人も童貞で恋愛には程遠い存在で、でも友情だけは確かにあった人間なんだろうな。分かるよその気持ち。俺も現在進行形で彼女いない歴=年齢の童貞で、趣味で繋がった友人の存在はとてつもなく大きいし、今でも素晴しい存在。

俺も兄貴の保険証を借りてお酒買ったりしてたなあ。そのときはフォーゲルみたいにすげぇハラハラしたわ。これはまじでリアルすぎて過去の感覚が蘇った。

若い頃は、たしかに女の子とヤッちゃうこと、お酒に身を任せることがイケてるとか、最高なことだと勘違いしてしまう。ヤンチャなことをするのがイケてると思うのは若気の至り。でも、それは違う。本当はそこに愛があるかどうか。それは男同士の友情でも性愛の対象者との恋でもあるし、家族愛でもある。愛をもってその人と過ごしていくことこそが最高の思い出であるということなのだ。そうして、愛を知り、単純な性愛から卒業していき大人となってゆく主人公たち。

最後にお互いに愛してるっていうのが素晴らしかった。そこには、何もかもの規範に囚われない、奥底にある本質的な愛が滲み出ていた。そして、警官たちがフォーゲルに対して、フォーゲルたち若者の目線で接してくれていることに涙した。こうして陰ながら同じ目線で支えてくれている人がいると人は成長する。警官としては失格だが。
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