まっつん

スーパーバッド 童貞ウォーズのまっつんのレビュー・感想・評価

4.2
セスローゲンとエヴァンゴールドバーグの学生時代の実体験を元に映画化!僕の大好きなコメディアンたちが楽しそうに暴れまくる様は堪らないものがあります。

高校卒業までに童貞を捨てたい非モテ3人組の一夜を描いた本作。とにかくオープニングから「次はどこのエロサイトに登録する?」だのと童貞臭い猥談の連べ打ち。そんな彼らが珍しくパーティーに誘われた!!童貞卒業のチャンスだ!と感じたセス(ジョナヒル)は「じゃあお酒買ってくるよ!!!!」と大見得を切ったことから地獄の様な一夜が幕を開ける!この3人組は童貞を卒業したい!とか言いつつも思春期特有の心地よいブロマンスに浸っている状態なんですよね。

本作の主人公であるセスとエヴァンは明らかに脚本家コンビの分身として登場しています。そしてセスローゲンはビルヘイダーとコンビでどう考えてもマトモじゃない警官役で出演。彼らはマクラビンをパトカーで連れ回して破茶滅茶に遊びまくる訳ですが要はこれ「大人だって悪いもんじゃないぞ」というかつての自分たちへのメッセージなんですよね。まぁ大人の楽しみってそういうことじゃねぇよ!って気もしますが笑。

明らかに背伸びした彼らの目論見は最終的に何となくうまくいかない訳です。エヴァンは初セックスまで漕ぎ着けたと思ったが日和って失敗(わかるぞ...)&相手の女の子が飲みすぎて嘔吐。セスは惨敗。マクラビンに関してはちょっと違っていてボンクラ警官コンビと一緒に大破したパトカーを銃で撃ち抜くわけです。このシーンがハッキリと童貞卒業のメタファーになっている事は言うまでもないですが、ボンクラ警官から「大人だって楽しめるんだ」という事を学び成長すると。セスとエヴァンは計画が失敗して結局元の場所に落ち着くわけですが、そこは同じようで実は違う場所なのです。彼らは「背伸びをせずにいま目の前にいる人を大切にすればいい」ことを学んだ訳です。それは2人の友情がより強固なものになった事と同時に青春の終わりをも意味しているのです。だからこそ彼らはラストで迷いなく選択を出来るようになる。彼らは大人になったのです。

という事でゲラゲラ笑いつつも最後にホロリとさせられる傑作です!