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ラベンダー・ヒル・モブのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ラベンダー・ヒル・モブ(1951年製作の映画)
3.0
No.235[良くも悪くも教科書的な強盗コメディもの] 60点

トーキー以後の外国産コメディでハマった作品は本当に少ないのだが、懲りもせずまた挑戦しようと思える点、コメディは強いと言える。75分という短い上映時間に惹かれて鑑賞。

ロンドン西部イーリングにあるスタジオで撮影された一連のコメディ映画を”イーリング・コメディ”というらしい。代表的な作品は”1001の映画2011”にも掲載されている「マダムと泥棒」「カインド・ハート」「ウィスキー・ガロア」などで、アレクサンダー・マッケンドリックなど有名な監督も世に送り出している。数多くいたスターの中で最も有名なのは本作品の主演を務めるアレック・ギネスだろう。勿論、彼が圧倒的知名度を誇っているのはイーリング・コメディではなくオビ=ワンだけど。
ちなみに、イーリング・コメディって大まかに”ブラックコメディ”と分類されるらしいが、私には全然ブラックでもなんでもなかった。別の映画に期待するとしよう。

物語の運びは非常に”教科書的”で、というより本作品が教科書なのかもしれんが、良くも悪くも平均くらいといったところか。ギネスとホロウェイのドタバタは見ていて本当に面白いが、協力してくれた親切な小悪党がその後どうなったか知りたくて無駄にイライラした。彼らの話もするとなると上映時間も伸びてしまうが、ギネスやホロウェイなんかよりずっと悪党なのに一切金の心配をしないなど現状ではキャラが非常に薄っぺらい。というわけで、少し物足りない&もったいない映画だった。

エッフェル塔の階段のシーンはなかなか楽しかったが、ずっと”見たことあるなぁ”と頭がグルグルしていた。あ、思い出した「地下鉄のザジ」だ。(ザジには勝てないかなぁ…)

追記
一応冒頭にオードリー・ヘプバーンが少しだけ出るのだが、「ウディ・アレンのバナナ」のスタローン並の短さなので、彼女目当てで観ることはオススメしない。
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