LEONkei

トウキョウ アンダーグラウンドのLEONkeiのレビュー・感想・評価

2.0
ドイツ人の目線で描く〝トウキョウアンダーグラウンド〟というから、自分も若かりし頃を蘇らせディープでコアなトウキョウ・ストーリーを期待したが見事に期待を裏切られた。

日本人の彼を求め〝ドイツ〟から異国の地〝トウキョウ〟へやって来た少女〝アンジェラ〟は、漫画(イラスト)を描く事が好きで好奇心と揺れ動くココロの不安定さが切なく描かれている。

その不安定さは地球から宇宙へ飛び出す中間、大気圏の層にモガき苦しむ感覚なのかもしれない。

大雑把に言えば地球の大気の構造は、〝対流圏・成層圏・中間圏・熱圏〟と4層構造で成り立っている。

その中の〝成層圏〟は特殊な対流により複雑で、太陽から紫外線を吸収しオゾン濃度も高く危険で不安定な階層と言える。

その〝成層圏〟さえ突破すれば一気に〝外気圏〟へ突き進み、後は広大な宇宙空間へと抜け出すことができる。

それをイメージすれば深夜の渋谷の街を浮遊する、主人公〝アンジェラ〟のココロの奥底のモヤモヤが晴れるだろう。

映画としては退屈なストーリーでも最後まで鑑賞できたのは、六本木辺りに普通に歩いていそうな少女役〝クロエ・ウィンケル〟の素朴で冷めた眼差しに吸い込まれた。

外国人に限らず日本各地方から来た人々も、トウキョウの街は一種独特の異国の地には変わりない。

それくらいトウキョウは密度が濃く世界から見ても稀で、独自性を持った欲望と挫折が混在した魅力的な街と言えよう..★,
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